がん治療薬にも応用されている抗体をアルツハイマー病に似た症状を示すマウスに注射すると、脳神経に有害なたんぱく質の蓄積や学習・記憶能力の低下が抑えられたとの実験結果を、イスラエルのワイツマン科学研究所のチームが米医学誌ネイチャーメディシンに発表した。
この抗体は「抗PD1抗体」。白血球によるがん細胞への攻撃を促進する新薬「ニボルマブ」として実用化され、皮膚がんや肺がんに効果が示されている。
抗体を3日間隔で2回投与された生後10カ月のマウスは、その1カ月後に受けた記憶のテストで、投与しなかったマウスよりも成績が良く、有害たんぱく質の蓄積も少なかったという。
(2016年1月28日 毎日新聞)