大腸から取り出した、たった一つの幹細胞を体外で増やし、大腸に移植して潰瘍(かいよう)を治すことに、東京医科歯科大の渡辺守教授や中村哲也講師らがマウスの実験で成功した。人で応用できれば、自分の細胞を使った再生医療につながる可能性がある。12日付の米医学誌ネイチャーメディシン(電子版)で発表した。
渡辺さんらは、大腸の表面にある細胞から幹細胞を一つだけ分離。実験装置のなかで幹細胞に送る栄養を工夫して、大腸の細胞では難しいとされる体外での培養に成功した。
増やした細胞を、潰瘍のあるマウスに移植したところ、1カ月後、潰瘍でできた凹凸が平らになって健康な大腸の表面と同化していることを確認した。
2012.3.12 朝日新聞
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