スギ花粉症の症状を緩和させる効果が、乳酸菌の一種「フェカリス菌」を含んだ乳飲料にあることが、大手飲料メーカー伊藤園の研究で分かった。詳しい内容は、月刊誌「薬理と治療2012年2月号」(ライフサイエンス出版)に掲載された。
フェカリス菌は人の体内から抽出、加熱処理をして乾燥させた乳酸球菌。整腸やアトピー性皮膚炎改善の作用などがあるとされる。
試験は昨年10~12月に実施。スギ花粉症患者20人に、フェカリス菌の入った乳飲料を毎日1本(200ミリリットル)2カ月間飲んでもらった。その後、研究室内でスギ花粉を3時間飛散させ、症状の変化を観察。飲用開始前と飲用後の自覚症状を▽鼻かみ回数▽鼻づまり▽目のかゆみ▽流涙--などの項目で比較した。
その結果、3時間経過した時点での鼻かみの平均値が飲用前は2・7回だったが、飲用後は1・8回に減少した。鼻づまりや目のかゆみなどでも緩和効果が確認された。
2012.3.21 毎日新聞