テレビCMや雑誌などの広告で「医療用成分配合です!」というキャッチフレーズを耳にしたり、目にしたりしたことはないでしょうか。
この「医療用成分配合のお薬」というのは、医療用医薬品として医師の処方箋がなければ使用できなかったお薬の中で、使用実績が十分あり、比較的副作用が少なく安全性が高いと判断された医療用医薬品と同じ成分を含んだお薬のことで、スイッチOTCと呼ばれ、自分で買い求めることができます。
例えば、胃酸を抑えるH2ブロッカーと呼ばれる「ガスター10」や花粉症の患者さんにはお馴染みの抗アレルギー薬の「アレグラ」、さらには下痢止めのお薬など種類は様々です。
一言でスイッチOTCと言っても、自分で手軽に買い求められるものから、第一類医薬品や要指導医薬品のように薬剤師から説明を受けた後でなければ買うことが出来ないものまであります。
さて、これらのスイッチOTCの中で、解熱鎮痛剤のロキソプロフェンナトリウム水和物(商品名:ロキソニンS)は、よく知られているもののひとつですが、ロキソプロフェンは、スイッチOTCになっていることからも分かるように、比較的安全性が高い医薬品と判断されています。ところが、このロキソプロフェンナトリウムに、本年3月に重大な副作用として「小腸・大腸の狭窄・閉塞」が追加されました。
なんと過去3年間で国内副作用症例として「小腸・大腸の狭窄・閉塞」が6例報告されており、そのうち5例は因果関係が否定出来ないとされています。
また、スイッチOTCではありませんが、何十年も前から医療用医薬品としてよく使用されている利尿剤の「フロセミド(商品名;ラシックスなど)」の重大な副作用として「間質性肺炎」が追加されました。
いずれも「何故、今頃になって・・・?」と考えてしまいますが、やはり「薬はクスリ」で、いくら安全性が高いといってもお薬には「副作用」はつきもので、「いつ何が起こるかわからない」と思っていたほうがよいかも知れないですね。
皆様も、「今まで問題ないから大丈夫」ではなく、薬を服用していて「何かおかしいな」と感じたらすぐに医師や薬剤師に相談されることをお奨めします!