非小細胞肺がんで、手術後のがん細胞の転移と抗がん剤の効果を判別できる目印を見つけたと、国立がん研究センター研究所の本田一文ユニット長らが米医学誌に発表した。
本田さんらはカナダ国立がん研究所が公開している手術後の抗がん剤の臨床研究データ(患者約130人分)を分析。手術で摘出した細胞の中に、がんが転移する際に濃度が高くなるたんぱく質「ACTN(アクチニン)4」がどれくらいあるかを調べ、抗がん剤の使用の有無と5年生存率との関係を調べた。ACTN4が高い患者群では、抗がん剤を使うと5年生存率が約80%だったのに対し、使わない場合は約25%と差が出た。
(2016年6月22日 読売新聞)