毎朝目覚めの一杯、リラックスタイムの一杯など、コーヒーや紅茶、日本茶は、カフェインの作用により疲労感を取り除き、眠気を覚ます作用でスッキリするものですね。
一方、日常生活の中でカフェインの摂取量を意識されていますでしょうか?
カフェインが含まれているのは、コーヒーや紅茶、緑茶などだけではありません。
例えば、以下のような市販薬にもカフェインが含まれています。
- 解熱・鎮痛剤
- 風邪薬
- 乗り物酔い予防薬
- 鼻炎用内服薬
- 眠気防止剤
さらに、エナジードリンクや眠気防止ドリンクなどにも、カフェインが50~150mg程度含まれています。
一般に、2週間を超えて1日200mgのカフェインを毎日摂取した場合、中止したときに「カフェイン離脱頭痛」という頭痛を発症することがあると報告されています。
この頭痛は、通常は1週間以内に自然に治まることが多いのですが、カフェインを摂取するとすぐに頭痛が治まるため、さらにカフェインの摂取をしてしまうことがあります。
なんと海外では、気合を入れようと「エナジードリンク」を飲用し、その飲みすぎにより14歳の少女が死亡した例まで報告されています。
それでは、カフェインは1日どのくらいの量までが適量といえるのでしょうか?
目安として、1日300mgまでと考えてよいと思いますので、インスタントコーヒーに換算すると、1杯にカフェインが約60mg含まれているとして、1日5杯までになります。
しかし、眠気防止ドリンクには、1本あたり150mg程度含まれているものがあり、栄養ドリンクでは1本あたり50mg含まれているものがほとんどです。
なんとコーラでも、コップ1杯あたり約14mg含まれています。
このように日常生活の中で、気づかないうちに案外カフェインを摂取してしまっていますので、コーヒー換算だけでの判断は危険です。
カフェイン摂取により、胃腸障害や頭痛、カフェイン依存症などの様々なよくない症状を発症する他、死亡事故まで報告されていますので、過剰摂取には注意するべきと考えられます。
コーヒーなどが好きな方で、頭痛、吐き気、不安感、だるさなどが現れた場合は、カフェインの過剰摂取も考えられますので、少しずつ減量されると良いと思います。
参考までに、カフェインは、薬物代謝酵素CYP1A2で代謝されますので、この酵素を阻害するお薬(例えば、ルボックス、デプロメール、シプロキサン、プロノン、タガメットなど)との併用にも注意が必要です。
何事においてもそうですが「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で、カフェインの過剰摂取には注意しましょう!