糖尿病は、直接命に関わることもなく、特に自覚症状もないことから割合軽く思われている場合がありますが、長年持続する高血糖によって慢性合併症を引き起こすことがあり、実はこれが糖尿病の最も怖いところです。
高血糖を含む代謝障害により、全身の血管に異常が生じて糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、動脈硬化症の促進などを引き起こします。
早期のうちに発見されれば進行を遅らせることも可能ですが、発見が遅れると足が壊死して切断しなければならない事もあります。
この度、岡山大学の三井秀也講師(心臓血管外科)は、糖尿病で足が壊死する「難治性潰瘍」に対して珍しい治療法を発表されました。
日本では、壊死による足の切断は3,000例を超えるといわれていますが、果たして救世主となりえるでしょうか。
三井講師の発表した治療方法は、「マゴットセラピー」という聞きなれない治療法ですが、それもそのはず「マゴット」とは「ハエの幼虫」のことです。
えっ!気持ち悪いと思われるかも知れませんが、これが「難治性潰瘍」の治療に対しては優れものです。
マゴットセラピーは、壊死した皮膚にハエの幼虫をガーゼとともに固定して行い、幼虫が腐敗した部分を食べて傷をきれいにするとともに、幼虫の唾液に含まれる物質が微生物を殺す役目を果たして傷の回復を早める効果もあります。 (正常な細胞は食べませんので安心です。)
国内でも既に27箇所の医療機関で約100例実施され、そのうち66例は三井講師が手がけています。いずれも「即、足の切断か足切断の可能性がある」と判断された患者で、66例中58例で完治し、足切断を免れたとのことです。
ただ、この治療法の問題点は保険適用ではないので、12万円~18万円程度の自己負担になることです。
それでも足の切断をしなくても良くなるのであれば、安いのかも知れません。
三井講師は、「自分で歩くことが出来れば、糖尿病もコントロールしやすくなり、医療費削減にもつながる。全国どこの病院でも治療を受けられるようにして、一人でも多く足切断から救いたい」と話しています。
(参考;産経新聞 平成19年5月1日朝刊)
(コラム) 糖尿病の人では、感覚が鈍っていることがあり、小さな”ケガ”を見過ごしてしまうことがあります。また、血液の循環も悪くなっているため、そのままにしておくと足に潰瘍ができたり、壊疽になったりもします。
例えば、
靴・・・・・・靴ずれ、うおのめ、たこ やけど・・・・・・こたつ、電気毛布、お風呂 こんなことがきっかけになります。
「たいしたことはない」なんて自己判断が一番いけません。 また、うおのめ、たこなどを、自分でカミソリなどで処置してはいけません。早めに医師に相談しましょう。 そうすれば足の切断は救えます。
