東京大学大学院医学研究科の門脇孝教授らの研究グループは、メタボリックシンドロームを防ぐ働きがあるとして注目されている「アディポネクチン」が、体内レセプターと結合することで血糖値低下やインスリンの働きを助けるというメカニズムを明らかにしました。
この研究成果は、2月9日のネイチャー・メディシン(電子版)に発表されました。
門脇教授によれば、この研究成果は、肥満状態時に減っているアディポネクチンレセプターと結合する薬剤や食品を同定することで、非常に有力な糖尿病やメタボリックシンドローム改善法となることを示していると言っています。
すでに同教授は、アディポネクチンレセプターのリガンドとなる食品や薬品 の開発にも着手しています。 メタボリックシンドロームが進行すると、糖尿病や心筋梗塞、脳卒中などの 疾病に発展します。
その基本的な対応策は、生活習慣病の改善による内臓脂肪を減らすことですが、それに加えアディポネクチンの作用を利用できれば結果的に糖尿病や心筋梗塞、脳卒中が減ることにつながる可能性があります。
門脇教授らは、野菜や果物に入っている「オスモチン」という物質を見つけています。これは、アディポネクチンレセプターのリガンドになり得て、しかもアディポネクチンの100倍の効果があるとも言われ期待されている物質です。
現在では、オスモチンの吸収について研究中とのことですが、今後アディポネクチンレセプターに作用する食品がみつかれば、健康食品だけでなく医薬品として発展する可能性も秘めています。
