人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、がんを発見する能力を高めた免疫細胞「キラーT細胞」を作ることに成功したと、京都大iPS細胞研究所などのチームが発表した。マウスの実験で、がんを効果的に抑えることも確認した。新たながん免疫療法につながる可能性があるという。
キラーT細胞は、がん細胞にある特定の分子を目印に、がんを見つけて攻撃する。
今回、遺伝子を効率良く改変する「ゲノム編集」の技術を活用し、まずiPS細胞から余分な分子を作る遺伝子を除去。その後、キラーT細胞に変化させて試験管内で調べた結果、がんを発見する能力が最大で約10倍高まっていた。マウスに投与したところ、がんの進行を抑える効果が確認できたという。
(2018年11月16日 読売新聞)