ニホンウナギが持つ蛍光たんぱく質を使って、血液中の物質を光らせる試薬を理化学研究所などの研究チームが開発した。
黄だんの原因となる血液中の「ビリルビン」を検出するもので、ビリルビンの量を調整している肝臓の異常などを簡単に検査できるという。米科学誌セル電子版に発表した。
ニホンウナギが緑色の蛍光たんぱく質を持っていることは以前から知られていたが、光る仕組みは分かっていなかった。
研究チームはウナギの稚魚の遺伝子を解析して蛍光たんぱく質の遺伝子を特定、ウナギにちなんで「UnaG(ユーナジー)」と命名した。UnaGは単独では光らないが、ビリルビンとくっつくと蛍光を放つことも発見した。
ビリルビンが血液中に増えると、肌が黄色くなる黄だん症状が出る。現在の黄だん検査は結果が出るまでに数時間かかるが、UnaGの試薬にビリルビンの量が多い血液を加えると、緑色に強く光るため、10分ほどで判定できる。
(2013年6月18日 読売新聞)
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