血糖値の平均的な状態を示す「ヘモグロビンA1c」(HbA1c)が低い場合も、脳梗塞(こうそく)など脳血管障害の発症リスクが高いとの調査結果を、国立国際医療研究センターと東京女子医大の研究チームが11日、発表した。HbA1cが高い糖尿病の患者は脳梗塞の発症リスクが高いことは知られていたが、HbA1cが低い場合の発症リスクが明らかになったのは初めて。
全国9カ所で実施した糖尿病調査の協力者ら2万9059人を対象に、HbA1cと心血管疾患の発症の関係を調べた。HbA1cが正常値(5・0~5・5%)の場合と比較して、5・0%未満の場合の発症リスクは、脳出血1・72倍▽脳梗塞1・47倍だった。一方、6・5%以上と高い場合は、脳出血1・15倍▽脳梗塞2・29倍だった。
研究チームの後藤温・東京女子医大助教は「HbA1cが低いとリスクが上がる仕組みは解明されておらず、さらなる研究が必要だ。血糖値が低いことで発症リスクが上昇したとは考えにくく、他の要因がHbA1cに影響している可能性がある」と話している。
HbA1cは過去1~2カ月の血糖値の平均的な状態を示し、6・5%以上だと、糖尿病の疑いが強いとされる。
(2015年6月12日 毎日新聞)
