先生方もご存知の通り、AHCCはシイタケの菌糸体を長期間液体培養して得られる抽出物で、主な活性成分はアシル化されたα1,4-グルカンと考えられています。
すでに世界各国100以上の大学や研究施設、病院などで研究され、臨床試験を含めて、100報以上の論文が発表されています。国内においても25年以上も前から補完代替医療健康食品として研究されています。
最近では、一般市販品のAHCCも販売されていますが、補完代替医療の研究として使用されているAHCCは「イムにメディックピュア」という商品ですので、類似商品には注意しなければなりません。
さて、本年開催された「統合医療機能性食品国際学会 2021」は、新型コロナウイルス感染症拡大予防の立場から、基調講演と公開シンポジウムのオンラインでの開催となりました。
基調講演では、北海道大学病院消化器外科Ⅰ診療教授の神山俊哉先生によりまして、「C型肝炎と肝細胞癌の最新治療」という演題でご講演されました。
ご講演の中で、北海道大学病院でAHCCを使用した臨床例をいくつかご紹介されていますが、2年無再発生存率がAHCC摂取により高くなっていることを発表されています。
詳細につきましては、 株式会社アミノアップのホームページのトップ画面下部のICNIMのページへのリンクのYouTubeへのリンクから、 ICNIMのYouTubeページ
https://www.youtube.com/playlist?list=PL02OnAG4Ksrlz2KAtobNyUqGnkUwiy8_O を参考にご覧ください。
No.12が基調講演・特別講演 No.13が公開シンポジウムとなっております。
No.12が基調講演・特別講演の39分ごろ~63分ごろの部分(20分程度)がAHCCに関する説明となっています。
ぜひ、AHCCについて、一層ご理解頂くためにご覧いただけますと幸いです。
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補完代替医療健康食品「AHCC」について~統合医療機能性食品国際学会を参考に理解を深める~
「Dr.AglyMax」Webセミナーのご案内
ダイゼインリッチな麹菌発酵アグリコン型大豆イソフラボンの機能性は、通常のイソフラボン原料と比べて様々な機能性が報告されています。
そこで、医療機関向け麹菌発酵大豆イソフラボン「Dr.AglyMax」を販売するニチモウバイオティックスでは、先生方にご理解を深めていただくために、テーマごとに短くまとめたWebセミナー動画を公開していますのでご案内させて頂きます。
①原料特徴紹介「麹菌発酵イソフラボンとは?」
https://youtu.be/203aox8DeTY
②更年期 「更年期・婦人科向け 機能性とエビデンス」
https://youtu.be/g2AtxA1teAE
③不妊 「着床サポートノエビデンス」 ~不妊治療の有用性~
https://youtu.be/owysFb2wL2E
④差別化 「エクオールとの違い」
https://youtu.be/V0sWBYnJrlM
⑤抗酸化・抗炎症 「抗酸化・抗炎症作用について」
https://youtu.be/c3zwdflRr9g
⑥安全性 「安全性とエビデンス」 ~よくある誤解にお答えします~
https://youtu.be/WLNV7vvvDBg
⑦男性向け 「男性向けエビデンス」 ~女性向けだけじゃない~
https://youtu.be/CV-kBiaD5PA
腸内細菌の重要性について~わかっているようでまだまだ実感が少ない腸内細菌への認識!~
健康を維持するために、「腸内細菌叢のバランスが大切」、「腸管免疫が重要」などいろいろ言われているわりには、医師の間でも「腸内細菌叢を整えることは健康維持に大切らしい」という程度で、他人ごとのようにとらえられている方は少なくないように思います。
しかし、この「腸内細菌」こそが健康維持や、薬物治療の効果を高める上でも重要な位置づけとなることがわかってきました。
この度は特に免疫力の向上と腸内細菌の密接な関係についてお伝えいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大の収束が未だに見えてこない中、免疫力に大きな注目が集められています。
その免疫力の向上に欠かせない免疫細胞の約7割は、腸に存在していることはすでに誰もが知っている事実です。
では、なぜ腸管に免疫細胞の約7割も集まっているのでしょうか。
その理由は極めて単純です。
特に小腸は、食べ物を胃で消化・分解した栄養素を体内に取り込む最初の場所になりますが、無防備に栄養素とともに病原体(細菌)などを一緒に取り込んでしまうと病気が発病してしまうため備えが必要だからです。
そう考えるとごく自然で納得もできますが、その中で特に重要な物質がIgA(免疫グロブリンA)です。IgAは、大腸菌などの悪玉菌を見つけ出し、その増殖を抑えたり、体外に排出したりする働きがある一方で、いわゆる善玉菌がこのIgAの産生量を増やす働きがあります。
最近では、「がんを薬で治すための腸内細菌との関わり」についての研究が進められており、例えば昭和大学医学部を中心に「Uバンク(便バンク)」プロジェクトが立ち上げられるなど、さかんに腸内細菌とがん治療のかかわりについての研究が行われています。
海外では、この分野の研究は当たり前のようにさかんに行われています。
例えば、2015年にはシカゴ大学とフランスの研究チームは、マウスの実験になりますが、「腸内細菌の違いによってがん免疫の治療効果に違いがある」ことを報告しています。
また、がん免疫治療薬の使用前後で抗生物質を使用した場合は、薬の効果が弱くなることもわかってきました。これは抗生物質によって腸内細菌叢のバランスを崩してしまった結果と考えられます。
このような事実から、腸内細菌叢のバランスを整えるため、いわゆる善玉菌を増やす工夫が大切で、例えば日常から食物繊維やビフィズス菌などの摂取を積極的に行うことも大切と思われます。
腸内細菌と病気との関わりについては、がん免疫だけではなく、糖尿病などの生活習慣病、うつ病などの精神疾患、花粉症などのアレルギー疾患などもよく知られるようになってきました。
実際に、当社が販売する「EF-5K」という商品は、小児アトピーが改善したというお声もたくさん頂いています。
NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)対策サプリメント 麹菌発酵大豆培養物「イムバランス」
NASHは、アルコールを原因とせず、生活習慣を原因とした脂肪肝が悪化して炎症を起こした状態のことで、アルコールの多飲歴がないにもかかわらず、組織学的にアルコール性の肝障害と同様な変化をもたらし、それが肝硬変や肝臓がんまで進展させてしまう、注意を要する病態です。
我が国でも脂肪肝患者が増加しており、成人の4~5人に一人が脂肪肝だと言われていますが、今のところNASHに対する有効な薬はなく、生活習慣の見直しが最も重要な対策と考えられています。
そんな中で、いくつかのサプリメントにNASHの進行を抑えられる可能性を示唆した研究結果が発表されています。
今回はその中でも「イムバランス(麹菌発酵大豆培養物)」についてお伝えいたします。
「イムバランス」とは、大豆を有効利用するための研究過程で誕生した「麹菌発酵大豆培養物」で、植物性乳酸菌の他、大豆オリゴ糖、食物繊維、発酵過程での産生物(多糖類やペプチドなど)を含んでいます。
「イムバランス」の研究成果としては、小児アトピー性皮膚炎に対する効果をはじめ、アレルギー疾患に対する有用性がすでに報告されており、一定の効果が報告されていますが、この度、「NASH」に対する抑制効果を示唆する研究成果が、ニチモウバイオティクス株式会社と星薬科大学 生化学教室らとの共同研究により、本年3月に開催された「日本薬学会 第141年会」において発表されました。
この度の研究成果は、NASHの治療法が確立していない今日において、イムバランスのNASHの予防、および治療の選択肢の一つとして大いに期待されるところです。
再び脚光を浴び始めた「CoQ10」~「思いやりのPQQ」 パーキンソン病に有用か~
今、にわかにCoQ10が再び脚光を浴び始めています。
CoQ10といえば、今では知らない人がいないぐらいに認知度の高いサプリメント素材ですが、それがなぜ今になって脚光を浴びているのでしょうか。
その理由は、今までわかっていなかった事実が次々に明らかになってきたことがあげられますが、今回はその中でいくつかご紹介させて頂きます。
まず一つ目は、「スタチン製剤との併用による有用性」です。
「スタチン」といえば、今さら言うまでもなく世界中で広く使用されている脂質異常症の方に使用されている医薬品です。
そのメカニズムは、コレステロール生合成経路の律速段階のHMG-CoA還元酵素を阻害し、血中コレステロール値を低下させるというものですが、実はコレステロールとCoQ10は、同じ合成経路で作られているため、スタチンでコレステロールの生合成を阻害するということは、同時にCoQ10の合成も阻害されることになります。
スタチンの服用によるCoQ10の低下とスタチンの副作用との因果関係は十分に解明されていませんが、金沢大学大学院の馬渕教授は、健常人でも体内でのCoQ10の濃度は加齢とともに低下してくることはわかっていますので、スタチン服用者にCoQ10の飲用で補充していくことは重要でるとの認識を強調しています。
また、CoQ10は、ミトコンドリアの栄養素であることも重要視されており、先月号の代替医療健康食品通信でも、大阪大学大学院の森下先生がおっしゃっている「免疫力を高める鍵はミトコンドリアの活性化にあり、CoQ10の摂取も大切である」ことをお伝えしたばかりです。
さらに最近では、CoQ10は、パーキンソン病の進行抑制にも有用である可能性が報告されています。
即ち、パーキンソン病の患者は、抹消組織中ミトコンドリアのCoQ10レベルが有意に減少していることが報告されており、CoQ10の補給はミトコンドリア機能異常と酸化的ストレスを改善し、パーキンソン病の発症予防および進行抑制効果が期待できるというものです。
すでに米国では、パーキンソン病初期患者を対象通してパーキンソン病の進行抑制に対するCoQ10の効果を調べる試験が実施され、その有効性と安全性が一部の臨床試験で確認されています。
これらのことを踏まえると「思いやりのPQQ」は、ミトコンドリアの新生・活性化作用や、パーキンソン病の原因と物質のひとつとして知られているαシヌクレインの凝集抑制作用が報告されているPQQとCoQ10が同時に配合されていることから、パーキンソン病の予防や治療に役立つ可能性のあるサプリメントと言えるかも知れません。
ますます注目のPQQ 日本ビタミン学会のトピックス「PQQの認知機能への影響」が投稿!
ピロロキノリンキノン(PQQ)は、自然界に広く分布し、様々な食品に含まれている物質ですが、最近の研究により様々な機能性が報告されるようになってきたのを背景に、岐阜医療科学大学保健科学部の三嶋智之氏、岐阜女子大学家政学部の伊佐保香氏らが、日本ビタミン学会の学会誌に「PQQの認知機能への影響」として、動物及びヒト試験における脳機能への影響について投稿しています。
PQQは、特に最近では「ミトコンドリア」の新生および活性が注目されており、今まで知られていなかった機能性が次々と報告されるようになってきました。
ますます注目される 「ミトコンドリア!」
ミトコンドリアは、エネルギーの産生にかかわっている重要な細胞内小器官のひとつであることは今さら言うまでもありません。
しかし、「それ以外にどのような働きをしているのか」と聞かれるとすぐに答えられる先生はそれほど多くないかも知れません。
最近の研究の中で、ミトコンドリアと病気との関係も徐々に明らかにされてきており、ミトコンドリアの研究の第一人者である日本医科大学名誉教授の太田成男先生は「病気とはミトコンドリアが足りなくなった状態」とまでおっしゃっています。
ミトコンドリアの不足と病気との関係は、糖尿病などの生活習慣病やがんをはじめ、老化に至るまで幅広く知られており、細胞内のミトコンドリアを増やすと同時に活性化することが健康維持に大切であることが一般に受け入れられるようになってきました。
そんな中で、大阪大学大学院医学系研究科教授の森下竜一先生は、免疫力の増強とミトコンドリア活性化について研究を重ねられ、「免疫力を高める鍵はミトコンドリアの活性化にある」とおっしゃっており、CoQ10の摂取も大切であることを強調されています。
さらに、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構は、科学誌「Nature Communications」に「ウイルス感染時の応答を制御するミトコンドリアの新しい機能」について発表しています。
この研究では、ミトコンドリアの外膜上に存在する膜タンパク質「Mffタンパク質」が、
ミトコンドリア上でエネルギー状態を検知して、ウイルスに対する応答の強さを調節していることがわかりました。
また、2021年2月に長崎大学が発表した研究結果によると、ミトコンドリアで作られるアミノ酸の1種である「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」が新型コロナウイルスに対して強い感染抑制効果を有することがわかり、すでに小規模の臨床試験も行われています。
以上のように、ミトコンドリアは「免疫力の増強」や「抗ウイルス作用」にも関与していることもわかってきました。
まさに「ミトコンドリア」は、健康維持の中心的役割を担っていると言っても過言ではありません。
偏らず中道で現在医学の中での補完代替医療の位置づけ!
医学部での教育は、西洋医学が中心となっており、医師国家試験合格後に先輩医師から教えられる内容もほとんど西洋医学の考え方となっているのが現状です。
そんな現状の中で、病気の治療に「心の持ち方が大切です」と言ったところで、大半の医師は「何、それ?」と見下して、「はい、終わり」という印象を受けます。
しかし一方で、現在医学をもってしてもまだわかっていないことも多くあることも事実です。
最もわかりやすい例としては「免疫学」の分野もその一つで、ある程度の詳細がやっとわかってきたところですが、まだ解明されていないこともたくさんあります。
確かに研究成果とともに、わかってきたことがたくさんありますが、それは「現時点でわかっていること」であって、将来的には「現在医学で常識」と思われていた事であっても実は「間違っていた」ということもでてくる可能性は否定できません。
よく病気のプロセスは、「川の流れ」にも例えられます。川には上流・中流・下流が
ありますが、いわゆる「病気」とは「下流で発生した結果」であるという事です。
中流では、私たちの体に本来備わっている「自然治癒力」というものが間違いなく存在します。無意識のうちにも、誰でもがウイルスや細菌が侵入してきた時には免疫力が高まり、それに打ち克とうという働きが生じます。
西洋医学では、「下流部分の原因を取り除くこと」が治療という考え方ですので、熱が出た場合は、「熱を下げる」、痛みがあれば「痛みを取り除く」というイメージです。
しかし、病気とはそんなに単純なものではないことはいうまでもないことで、例えば、がん細胞の増殖を抑えようとする場合、免疫力を高めることは大切ですが、免疫力を単に高めればよいというものではなく、自律神経系や内分泌系とのネットワークが複雑に絡んでいることを知っておくことが大切です。
病気というのは、何らかの原因で、免疫系・自律神経系・内分泌系のバランスが崩れた状態であり、複雑にからみあっているバランスをもとの状態に戻していくことが治療する上で大切です。
その一つの手段として、補完代替医療が有用な位置づけになるのではないでしょうか。
サプリメントやアロマセラピー、鍼灸、ヨガ、漢方薬・・・等々。
そして、中流より上の上流の部分のバランスを整えることが、根本的に病気を治療するということにもつながってきます。上流とは、「自分の心の持ち方=意識」の部分です。
現在医学では、残念ながらこの部分を無視していることが多いように見受けられますが、「末期がん」と宣告されて、もう治療ができないと言われたときに、何かできることはないかと思って補完代替医療にたどり着く方も少なくありません。
そのような方が「生きる希望」を見出したときに、医師の常識では考えられないほど回復する方がいることも事実です。
私たちの健康を維持する上で、「心の持ち方=意識」を大切にしていくことも重要で、その中で補完代替医療は重要な役割を担うのはないかと思われます。
もっとも、「補完代替医療にはエビデンスがないからダメ」と否定される医師も多くいることも事実ですので、可能な範囲で現在医学に照らし合わせた研究の蓄積も大切であることは言うまでもありません。
うまく西洋医学と補完代替医療を組み合わせていくことで、現在医学では手におえないような疾患でも、健康を取り戻すことができるとしたら、患者やそのご家族等にとってもハッピーではないかと思います。
当社では、研究が継続して実施され、医療機関の医師が補完代替医療として使用している実績のあるサプリメントを多数取り揃えていますので、補完代替医療分野のサプリメントにご興味のある医師は気軽にお問合せください。
麹菌発酵アグリコン型大豆イソフラボン 不妊治療への期待
アグリコン型イソフラボン「Agly Max」を販売するニチモウバイオティクス株式会社は、武庫川女子大学との共同研究でアグリコン型イソフラボン「Agly Max」が受精卵を子宮内膜に着床させる能力を誘導する可能性があることを明らかにし、2008年3月に世界ではじめて大豆イソフラボンの不妊治療への有用性を発表しています。
その後、東京医科大学産婦人科学教室との共同研究により、ヒトを対象としたパイロットスタディにより、アグリコン型イソフラボン「Agly Max」が受精卵の着床に重要な着床関連因子LIF発現を増加させる可能性が確認され、さらにはLIFの情報を受け取る受容体の遺伝子の発現を増加させることを確認しています。
これらの結果は、アグリコン型イソフラボン「Agly Max」は、子宮内膜に受精卵の着床をサポートすることで、不妊治療に有益であることが示唆されます。
さらに、麻布大学とのマウスを用いた共同研究では、加齢マウスの発情頻度を増加させ、着床数等は若齢マウスと比較して同等であることがわかり、2020年12月に行われた第65回日本生殖医学会学術総会で発表されました。
この度の結果は、晩婚化などによる出産の高齢化が進むなかの不妊治療において、明るい研究成果と言えるのではないでようか。
今回は、アグリコン型イソフラボン「Agly Max」の不妊治療への有用性をお伝えいたしましたが、以下のとおりその他にも多くの研究結果が報告されています。
今後のさらなる研究の積み重ねを期待します。
【アグリコン型イソフラボン「Agly Max」のその他の研究結果の一例】
・COPDに対する予防及び軽減効果
・筋委縮軽減効果
・インスリン感受性改善効果
・乳がん、前立腺がん細胞増殖抑制効果
・メタボリックシンドロームへの有効性
・ホットフラッシュ緩和効果
・子宮内膜症抑制効果
など
腸管免疫から考える新型コロナウイルスへのアプローチ
新型コロナウイルスによる感染拡大が続いており、重症者数も増加傾向にあり、地域によっては受け入れ病床数がひっ迫した状態になっております。
このような状況の中で、これから冬本番を迎えるにあたり、さらなる感染予防対策が重要になってきますので、ホットな話題を交えながらお伝えさせて頂きます。
感染予防対策としてよく知られていること以外に、皮膚についた新型コロナウイルスは、なんと9時間も生存することもわかってきたことから手洗いや、無意識に顔をさわってしまうことによる感染を防ぐ意味からもマスクの着用はさらに大切と考えられます。
さらには、最近の報告によれば、上気道からのPCR検査で陰性になっても便中にウイルスが残っている場合が多いこともわかっていますので、大便後に水を流す場合は「便器のふたをしてから流す」ことが推奨されています。
さて、新型コロナウイルスは若年層の方は重症化しにくいと思っている方が多く、感染予防対策に油断を生じてしまっている例が多く見受けられますが、家庭内で高齢者に感染させる例も多く見られることもあり注意が必要です。
特に高齢者や持病をお持ちの方は感染予防対策を徹底しなければならないことは言うまでもありませんが、若年層の方であっても決して重症化しにくいと言い切れるものではありません。
最近の報告では、現在感染が拡大している新型コロナウイルスは、ヨーロッパ由来のウイルスで、若年層の方でも感染すれば症状が長期化し、世界的にもなんと5人に1人は何らかの症状が長期にわたっていると言われています。
また、新型コロナウイルス感染者の約50%の方には消化器症状があり、10%ぐらいの方の症状は下痢や腹痛などの消化器症状だけで、なんと消化器症状だけの方は重症化しやすいともいわれています。
それでは、なぜ消化器症状だけの方は重症化しやすいのでしょうか。
新型コロナウイルスは、粘液の少ない小腸や肺胞に多く存在するACE2受容体にくっついて感染するからです。
従って、新型コロナウイルスの予防対策として、新型コロナウイルスがACE2受容体にくっつきにくくするか、ACE2受容体の発現を少なくすることなどが重要です。
ACE2受容体の発現を抑えるためには、腸管でIgAの分泌を促進することが有効で、そのためには、乳酸菌など摂取によりいわゆる善玉菌を多く取り入れ、腸内細菌叢のバランスを整えることが大切です。