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Posts in category くすりの話

えっ!? がん患者さんは、「心臓病」にも要注意?

1月05
2016
Written by admin
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今回は、がん患者と心臓病との関係についてお話します。
がん患者は、自分では気づかないうちに心臓への損傷を受けている可能性があることをオーストラリアで行われた研究により明らかになりました。
この研究は、555人の患者を対象に実施されたもので、研究結果は医学雑誌の「Heart」に掲載されています。

米国の心臓病学会に所属する医師によれば、がん化学療法が心臓に毒性作用をもたらすこともあるため、近年では心臓専門医とがん専門医の壁が取り払われ、がん専門医が化学療法を実施する前に、心臓専門医が心臓のチェックを行うことも始まっているそうです。
しかし、今回の研究により、化学療法を受ける前から心臓疾患マーカーが高くなっていて、がんの進行とともにさらに上昇することが分かりました。

今回の研究では、トロポニンという心筋梗塞マーカーとしても既に利用されている物質を測定していますが、2年間の追跡調査で、がんの重症度とともに数値が上昇していることが分かりました。
中には、通常の100倍まで上昇している患者もあったようですが、がん患者の死亡リスクと心臓疾患マーカーの数値の関係に有意な関連が認められたということです。
また、体ががんを攻撃するために、炎症反応が起こり、間接的に心臓にもダメージを与えていることも考えられます。
こうした背景から、がんと診断された患者は、心臓病で「突然命を落とす」ことのないように、こまめに心臓疾患マーカー(トロポニンなど)を調べることも必要になるかも知れません。

がん患者と心臓病との関係については、まだまだ研究段階でもあり、がん患者全ての方が心臓病に進行するわけではありませんので、がん患者は過度な心配はされませんように念のため申し副えます。

「乳酸菌」は偉い!

12月01
2015
Written by admin
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平成25年2月の「くすりの話」では、「大豆は偉い」というお話を致しました。
今回は、「乳酸菌は偉い」というお話をさせて頂きます。
健康と腸内環境の関係に関する研究は、近年ますます盛んに行われ、今まで未知だった
ことも徐々に明らかにされてきました。
体内に存在する腸内細菌は、約100兆個で重さにして約1.2kgあるとも言われています。この腸内細菌のバランスによって私たちの健康が左右されていますが、よく知られていることは、腸内細菌叢と免疫力との関係です。
人の腸内には、体全体の免疫細胞の約60%を占めているといわれ、その免疫細胞を活性化する手段のひとつとして乳酸菌があります。
一般に腸内細菌には「善玉菌」と「悪玉菌」、そしてどちらにも属さない
「日和見菌」があります。腸内細菌のバランスが、善玉菌が有利になれば、
日和見菌も良い働きをします。
しかし、悪玉菌が有利になれば日和見菌は悪玉菌の味方になってしまい
ます。そこで、常に腸内環境を善玉菌優位にしておく必要があります。
一言で乳酸菌と言っても、たくさんの種類があり、どの種類の乳酸菌が
どんな働きをしているかという細かいこともわかってきました。即ち、乳酸菌と言っても全て同じではありません。
例えば、「抗アレルギー作用」が期待できる乳酸菌は、CMでもお馴染みです。このように、乳酸菌の中でも
「得手・不得手」があり、どの種類の乳酸菌がどの病気に関連しているかということが分かってきました。
今回は乳酸球菌の一種、FK-23菌の研究成果についてお伝えします。

(1)免疫賦活作用
(2)抗腫瘍作用
(3)抗がん剤副作用軽減作用
(4)C型肝炎改善作用
(5)高血圧の血圧低下作用
(6)感染症抑制作用
(7)抗動脈硬化作用
(8)肺炎抑制作用
(9)抗インフルエンザ作用
(10)抗アレルギー作用
(11)美肌作用
(12)NASH改善作用

こんなにたくさんの作用が期待できるFK-23菌ですが、ホットな話題として難病指定されている「多発性硬化症」の方にも応用できる可能性も分かりつつあります。
多発性硬化症の方は、クロストジウム属のⅣという菌が低下していることがわかっていますが、FK-23菌を摂取することでクロストジウムⅣが増えることが分かりました。もちろん、このことだけでFK-23菌が多発性硬化症の方に有用とは言えませんが、かなり詳細なところまで研究が進みつつある一例です。このように乳酸菌は、健康維持に関して幅広く作用が期待できます。
まさに、「乳酸菌は偉い!」といえます。
私たちの生活環境では、PM2.5やPM10などの微粒子を嫌でも多少なり毎日吸っています。
「私は、PM2.5やPM10などの微粒子を吸っていません」という人は一人もいません。
市販の一部のパンやサンドウィッチは、カビが生えませんが、それは防腐剤が使われているからです。それが嫌だから市販のパンは食べませんと言っても、それだけではなく、市販されているほとんどの食品にはその他の様々な添加物が使われています。
そのような環境の中、いかにして健康を維持するかということが大切になりますが、その方法のひとつとして、FK-23菌のような幅広く健康維持に良い作用が期待できる乳酸菌を摂取することも良いかも知れません。

注意するのは本当に「グレープフルーツジュース」だけで良いの?

10月31
2015
Written by admin
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私たち薬剤師は、カルシウム拮抗剤と呼ばれる降圧剤の服薬時の注意事項として、「グレープフルーツジュースと一緒に服用しないで下さい」とお伝えすることがあります。
これは、肝臓や小腸に存在する薬物代謝酵素チトクロムP450(CYP3A4)を不活性化することにより、この酵素で代謝されるお薬(例えば、カルシウム拮抗剤)の血中濃度が上がってしまい、薬が効きすぎることがあるからです。
しかし、注意するのはグレープフルーツジュースだけで良いのかといえば、もちろんそうではありません。例えば、グレープフルーツ果実を薬の服用直前に摂取した場合はもちろん、グレープフルーツと同じかんきつ類の「はっさく」や「ザボン」などもCYP3A4を阻害することがわかっていますので注意が必要です。
これらのかんきつ類の中でも、特にグレープフルーツがCYP3A4の活性を強く阻害するといわれていますが、その作用には、個人差があります。
一方、フェキソフェナジン塩酸塩(商品名;アレグラなど)やアテノロール(商品名;テノーミンなど)等は、グレープフルーツやりんごなどと一緒に服用すると逆に作用が弱くなることも知られています。

このように食品とお薬の相互作用について知られている場合は予め注意できますが、まだまだ日常生活における食品や飲料とお薬の相互作用について、現時点で知られていないこともありますので、薬を服用するときには、お水かぬるま湯で服用することを原則としていただきたく思います。
もし、お水やぬるま湯で服用できなかった場合で、体調に変化が現れた場合は、貴重な報告になる場合もありますので、必ず医師や薬剤師にお伝えいただけますようお願いします。

腸管免疫と腸内細菌の関係

10月01
2015
Written by admin
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腸管は、単に栄養分を吸収するだけではなく、約1,000兆個ともいわれる細菌が住みつき、高度な免疫システムが備わっていることがわかっています。
また腸管には、なんと体全体の50%以上の免疫細胞が集まっているため、生体最大の免疫組織とも言われています。
腸管における生体防御機構は、物理的なバリアという役割だけではなく、腸内細菌のバランスによるバリアや常在マクロファージおよび樹状細胞などから構成される自然免疫系バリアなど多元的バリアによって恒常性が維持されています。
このバリアの破綻が、例えばアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状やがんなどの生活習慣病の発症と大きな関わりがあることがわかってきました。従って、腸内細菌叢のバランスを保って、腸管内バリアの破綻が無いようにすることが健康を維持する上で大切です。
実際に無菌マウスでは、免疫機能が劣っていることがわかっています。つまり、腸内細菌叢が腸管免疫機能を鍛えていると言えるのです。
それでは、腸内細菌叢のバランスによって保たれている腸管免疫とは、どのようなシステムになっているのでしょうか?
腸管特有のリンパ組織のM細胞とパイエル板は、腸管免疫誘導組織として特に重要な役割を果たしていることがわかっています。通常、リンパ組織は血液やリンパ液中の抗原に対して免疫応答を誘導しますが、腸管ではパイエル板が抗原となる病原性微生物を自ら取り込んで免疫応答を誘導します。これは、体内に病原性微生物が侵入してきたときに早急に対応できるようにするためのシステムが発達したためと考えられています。
病原性微生物を取り込み、パイエル板に受け渡す役割を担っているのがM細胞です。
M細胞の表面には様々な受容体があり、その受容体を使って抗原を取り込んでいくことにより免疫応答を活性化します。
ところで、最近の研究によって、腸内細菌と免疫の関係も徐々に明らかになってきましたが、将来的には、ヘリコバクター・ピロリ菌と胃癌発症の関係のように、疾患にかかわる腸内細菌が同定され、その腸内細菌に直接アプローチする治療方法がもしかしたら確立されるときがやってくるかも知れません。
腸管免疫と腸内細菌の関係については、まだまだ未知の分野ではありますが、今後、ますますこの分野の研究が進展していくことが期待されます。

肥満と免疫の関係

9月02
2015
Written by admin
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人の免疫の仕組みは、誰かが考えてできたものではありませんが実にうまく出来ています。
いや、うまく出来すぎています。その仕組みの適応能力のすばらしさによって人類は滅びることなく生き延びてきたのでしょう。
「何がすごい」のか、もちろん一言では言い現せませんが、免疫の仕組みは、最近になってやっとわかってきたことも多く、まだまだ解明されていないことがたくさんあります。
科学が進歩しているとは言え、実はまだまだわからないことのほうが多いのです。
我々が「わかっている」と思っていることは、あくまでも「現時点で」わかっているということだけで、「すべて解明されたので研究がこれで終わり」ということはありえません。

さて、前置きが長くなりましたが、最近になって「肥満」と「免疫」についてもわかってきたことがあります。
肥満が感染症の危険因子でもあり、肥満が原因で肺炎などの重篤な症状を引き起こすこともあることがわかってきました。
日本女子大学の佐藤学長らのグループによれば、「肥満によって免疫機能を調節するサイトカインという生理活性物質のバランスが崩れて免疫機能に変調をきたした」と分析しています。
最近の論文では、肥満が様々な感染症発症のリスク要因になる他、炎症を悪化させたり、がんの原因になったりしていることが発表されています。
また、平成21年に大流行した新型インフルエンザでの死亡者や重症者に占める肥満の人の割合が高かったとする論文も発表されています。
さらに別の論文では、内臓脂肪蓄積型の肥満の人の大腸がん術後の予後が悪いことや人工関節置換術を行った方の術後の炎症が起こりやすくなることなども発表されています。
佐藤学長らは、「正常な免疫機能を維持するためには食事療法と運動療法とによる肥満の予防と改善が一番」と話しています。
おそらく脂肪細胞から免疫異常に対する何らかのシグナルが送られていると思われますが、詳細が解明されるまでまだ時間がかかりそうです。

「腹八分目(七分目)」が健康に良く、食べすぎは健康によくないと言われますが、ある程度の空腹感があったほうが長寿遺伝子を活性化して長生きできる可能性もあるといわれています。飽食の時代になっていますが、食生活の欧米化による肥満に気を配り、和食中心の食生活を心がけ、食べ過ぎに注意するなどの工夫も健康を維持する上で必要なことかも知れません。

お薬と授乳について

8月08
2015
Written by admin
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「いま、授乳中ですが、この薬は服用しても大丈夫ですか?」
患者さんからの質問の中で本当に多い質問です。
母乳には多くの良い点があることが知られていますので、赤ちゃんを母乳で育てたいと望まれるお母さんはたくさんいらっしゃいますが、お母さんがお薬を使用している場合は、赤ちゃんへの影響が気になるところです。
それも無理はありません。かわいい自分の子供に「もしものこと」があっては、母親としての責任は言葉では言い現わせません。

一方、特に最近、服用しているお薬が心配で、勝手に授乳を止めてしまう方が増えてきており、大きな社会的問題にもなっています。
お母さんのお気持ちは十分理解できますが、一方でお薬の服用期間に授乳を中止することによって、母乳が出なくなってしまい、やむを得ず母乳から粉ミルクに変更するケースもあります。

それでは、お薬の服用と授乳について、どのように考えたらよいのでしょうか?
国立育成医療研究センターの見解を参考にすれば、「世の中には本当に多くのお薬がありますが、お母さんがお薬を使用すると、ほとんどのお薬は母乳中に移行するといわれています。
その結果をもとに医薬品メーカーの添付文書には、「服用中は授乳を中止させること」と記載していることが多く見受けられます。
しかし、ほとんどのお薬は、「母乳中に移行するけれども、その量はほとんど人体に影響しないほど非常に少ない」ことが知られています。
ですから、「お薬を飲んでいるお母さんが必ずしも母乳をあげることをあきらめなくてはいけないわけではないですし、また母乳をあげるために必ずしもお薬をやめる必要はありません。」とのことです。
母乳をとおして赤ちゃんに害が出る可能性は極めて低く、もし、影響があったとしても、たいていは一過性の軽い症状で済みますので、実際に医師が授乳を中止するよう指示されるケースは、むしろまれなことのようです。

したがって必要以上にお薬の影響を気にしすぎることは、かえって良いことではないと考えられます。
即ち、日常的な病気に処方される薬でしたら、授乳中であってもそれほど心配ありません。
断乳が絶対に必要となるのは、母乳にたくさん移行する薬で、しかも重い副作用を起こす
おそれのある薬です。たとえば、一部の抗がん剤や免疫抑制薬、放射性医薬品などがあげられます。これらのお薬についてはきちんと断乳するべきですが、これらのお薬を服用される患者さんは、自分から確認するまでもなく医師から事前に知らされるはずです。
お薬を服用することによって断乳すべきかどうかについては、治療中の病気の状態によっても異なりますので、薬局の薬剤師だけの判断でお答えできない場合もあります。
その場合は薬局薬剤師から処方医師に確認してもらってください。

健康食品を選ぶポイントのひとつ ~GMP認定工場とは~

7月10
2015
Written by admin
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先月の「くすりの話」の中で、健康食品を選ぶポイントのひとつとして製造工場のレベルの見極めも重要で、GMP認定工場(少なくともそれに準じた工場)で製造されているかどうかが安心して使用できる健康食品かどうかの判断基準になることをお伝えしました。
今回は、その「GMP認定工場」とは、どういう工場のことなのかもう少し具体的にお話したいと思います。

GMPとは、Good Manufacturing Practiceの略で、適正製造規範と訳されます。
原料の入庫から製造、出荷にいたるすべての過程において、製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれるよう定められた基準ですが、医薬品の製造においては既に義務として課せられているシステムです。

ところが、健康食品の製造においては義務化がなされていないために、非常に残念なことではありますが、雑菌の混入や原料の含有量のバラつき、有用成分のバラつきなどがあり、時として世間を騒がせるような大きな問題にまで発展することもあります。
しかし、最近では医薬品に共通するレベルを考慮して、健康食品の「GMP」を第三者機関で認可されるようになり、健康食品を製造する工場では健康食品の「GMP認定工場」として認可を目指す工場が増えてきました。

「GMP認定工場」として認可されるためには、原料の受入から出荷まで、工場の保守・点検・管理、製品の品質管理、衛生管理、製造管理など細部にわたって手順書を設けて記録を残さなければなりません。また、定期的に第三者機関によって工場に査察が入り、規定どおりに運用されているかチェックされます。
これに合格しなかった場合は、当然ながら認定を取り消されることになります。

例えば、原料の受入時には、一般細菌数、水分量、大腸菌群などの検査を実施し、当然ではありますが規格に合致していないものがあれば製造原料として使用されることはありません。即ち、製造工程に入る前に「原料受入拒否」をされることになります。
原料受入の後の工程においても徹底した手順書に従って製造されるため、原料の含有量のバラつきなどは一切ありません。
また、衛生面でも工場内部の規定も厳しく、清潔に製造され、出荷直前の工程においても再度一般細菌検査、水分量、大腸菌群などの検査の他、必要に応じた検査を行い、合格したものだけが出荷されます。
従って、GMP認定工場で製造された健康食品で健康被害を発生することは、考えられないことですので、時に世間を騒がせるような健康被害を発生している商品は、GMP認定工場として認可されていない工場で製造されているものと思われます。

以上のような理由から、健康食品を選ぶポイントの一つとして、GMP認定工場で製造されている商品であるかどうかの確認も重要と思われます。

コレステロール低下薬のウソ・ホント!!な話

6月09
2015
Written by admin
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この度は、世界中で何千万人が使用していると言われているコレステロール低下薬「HMG-CoA還元酵素阻害薬」、いわゆる「スタチン系医薬品」についてお話します。
最近、「コレステロールは高いほうが長生きする」や「コレステロールは下げるほど良い」といった、相反する主張をよく耳にしますが、結論から申しますとどちらにも言い分があります。従って、血清コレステロール値は低すぎても高すぎてもよくないと理解して頂ければと思います。即ち、血清コレステロール値が明らかに高い方は、お薬による治療は必要になります。そのひとつの理由は、高コレステロール血症は動脈硬化性疾患の重要な危険因子となるからです。日本人も食生活の欧米化など生活習慣の変化に伴って、血清コレステロール値が高くなっている方が増えてきていますので注意をしなければなりません。
コレステロール低下薬は、いろんな種類がありますが、いわゆる「スタチン系医薬品」が発売されてから劇的に効果が期待できるようになりましたので、現在では最もよく使用されているコレステロール低下薬と言っても過言ではありません。
ところが、その「スタチン系医薬品」に、脂溶性スタチンと水溶性スタチンがあり、その違いを理解した上で使用されている医師は少ないようです。即ち、スタチン系医薬品であればどれも同じ、メーカーが違うだけ・・・のような感覚です。しかし、実際にはそうではありません。
「スタチン系医薬品」の作用機序は、肝臓細胞内でコレステロールの合成を抑制することです。従って、肝臓細胞内で作用すればそれで良いわけです。水溶性スタチンは、主に肝臓細胞内に入り込んで作用を発揮します。脂溶性スタチンは、肝臓細胞にも入り込みますが、それ以外の臓器(例えば心臓やなど)にも入り込むという違いがあります。
おそらくこの差によるものと思われますが、血清コレステロール値を低下させるという目的だけでしたら、水溶性スタチンを使っても脂溶性スタチンを使っても大差はないのですが、患者さんが狭心症などを発症した場合においては、心筋収縮力の回復に差があることが実験でわかっています。これは動物実験の結果であり、ヒトでの検証結果ではありませんので、断言は出来ません。私たちが学生のころには、「薬の作用は解っているような顔をしながら、実は解っていないことのほうが多い」という話を聞かされたものです。当時はにわかに信じがたいことでしたが、「最近になってわかってきたことですが・・・」ということもたくさんあり、その意味も薬剤師になってからやっと理解できるようになりました。
スタチン系医薬品の今後のさらなる研究結果を待ちたいと思います。
どのようなお薬にも言えることですが、上述のとおり今私たちが知っていることは、当然現在わかっている範囲での情報だけです。もしかするともっとすごい別の作用があるかも知れませんし、予期しない副作用を発症するかも知れません。実際に、ごく稀にですが医薬品の発売後に副作用を発症して販売中止になることも見受けられます。
余談にはなりますが、そういうことを考えると長い歴史の上に積み重ねられた「漢方薬」や食経験の長い原料を
利用した「健康食品」の方が安全性という面で安心できるといえるかも知れません。
即ち、一概に「薬だから安全・安心」と結びつけるのもよくないこともあると思われます。
健康食品を選ぶポイントとして何が重要かといえば、使用原料の規格や安全性試験結果はもちろんですが、製造工場のレベルも重要です。製造工場が、いわゆるGMP認定工場(少なくともそれに準じた規定がある工場)であるかどうかがひとつの判断基準になりますのでご参考になさってください。
その理由については、機会があればお話したいと思います。

高齢者に多い多剤処方 ~本当に必要な薬は何?~

5月07
2015
Written by admin
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年齢を重ねるに伴って、複数の医療機関を受診する機会も増えてきます。
いろいろな症状を訴えて「薬」を処方していただくことになりますが、そこで注意しなければならないことは、同じ作用の薬の重複服用です。しかし、最近では医薬分業が進んでいますので、同種同効薬の処方については、薬局側で薬剤師が比較的容易に食い止めることが可能になってきました。
一方、厄介なのは、同種同効薬の重複ではなく、それぞれの訴えに対して別々の薬効の薬が複数の医療機関から処方されている場合です。こうなると薬剤師側では薬を整理することは出来ませんので、そのまま投薬することになってしまいます。
しかし、高齢者の方が多剤処方されている(たくさんの薬を服用している)ことにより、様々な問題が生じていることもあります。

例えば、「処方のカスケード」という問題があります。即ち、いくつかのお薬を服用している中で、咳が出るようになってきたということで咳止めの薬を追加し、便秘がひどくなってきたということで便秘薬を処方するという具合に「足し算処方」されていくことです。何が問題かと言えば、はじめの咳止めの薬の追加については、例えばACE阻害剤という高血圧症の方に使用する薬を長期に服用していると咳症状がでる場合があります。
もしかすると咳止めの薬を追加しなくても、高血圧症の薬を変更すれば解決できるかもしれません。次に便秘薬の追加についてですが、ある種の咳止めの薬の副作用として「便秘」があります。この場合も咳止めの種類を変えれば便秘薬の処方は必要なかったかも知れません。このように薬の作用に対して薬を処方することが繰り返されることを「処方のカスケード」と呼んでいますが、いつのまにかたくさんの薬を飲んでいることになっていることにつながります。
もちろん薬剤師も薬の副作用についてチェックしていますが、医師が副作用かも知れない症状について別の薬を処方してしまえば、薬の副作用を見つけ出すことは容易ではありません。

睡眠導入剤も必要以上に服用していると「転倒」の危険性も増し、最悪の場合は転倒によって「骨折」し、寝たきりになってしまうことも考えられます。

先日も身近な事例として、次のような経験をしました。
心療内科を受診したある高齢の患者さんですが、気持ちを落ち着かせる薬が処方されていました。この薬は時には胃薬として使用されることもあり、きついお薬ではないという説明を受けていました。
しばらく服用している中で、家族の方が「手が震えるようになってきた」ことをかかりつけの医師に相談したところ、パーキンソン病の可能性があるということで、状況を見ながら薬を飲んだほうが良いということだったそうです。その後、たまたま別の医師に受診したときに言われたことは、薬剤性パーキンソン病(薬の副作用でパーキンソン病様症状が出ている)の可能性もあるので、その薬を中止するように言われ、しばらく中止すると手の震えが治ったということです。即ち、薬の副作用により症状が出ていただけだったのです。
以上の例でもわかるように、安易に薬を服用し続けることは好ましくありません。
この度、日本老年医学会でも「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」が見直されることになりました。
このガイドラインによれば、高齢者が中止すべき薬のリストも掲載されています。
自分にとって本当に必要な薬は何かをよく考えて、使用する薬は必要最小限の使用にとどめることが大切かも知れません。
服用する薬の種類は、理想は数種類以内にとどめたいところですが、もし今服用している薬が10種類を超えているようなら医師に相談しながら減薬できるものは減薬するのも良いかも知れません。但し、患者さんにとって必要な薬は必要ですので、勝手に薬を中止するのはよくありませんのでご注意ください。

睡眠薬の適切な使用法について

4月01
2015
Written by admin
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睡眠薬と言えば、かつてはテレビのドラマなどで自殺に使われていたりすることなどから、「怖い薬」というイメージを持たれている方が多いかも知れませんが、最近の薬は依存性(癖になること)が少なく、間違ってたくさん服用しても呼吸中枢に影響を及ぼすことがないため、安全に使用できるようになっていますので、過度に怖がる必要はありません。
しかし、安易に服用を続けることもよくありませんので、睡眠薬は適切に使用することが大切です。

高齢になれば「睡眠を持続する力」が低下するのは当たり前のことですので、まず患者自身がそのことを理解し、いかに日中眠くて生活に支障が出ないようにするかなどのQOL(生活の質)を高めるかというところに意識を傾けなければなりません。
国内において睡眠薬を長期服用している方は、なんと成人の20人に1人と言われていますが、睡眠薬の長期服用に不安を感じている方が多く、実に長期服用者の中の約45%は自分の判断で薬を止めようとして失敗しているというデータもあります。
睡眠薬を止められなくなる一番の問題は、「眠れない」という患者の訴えに対して医師が漠然と長期投薬してしまうことや患者が自分勝手にいきなり薬をやめようとしても減量や休薬の仕方が間違っているためにやめられないことが多いようです。

そこで、平成25年6月には「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン~出口を見据えた不眠医療マニュアル~」が公開されました。このマニュアルによれば、漠然と長期服用することを戒め、不眠症は数ヶ月間放置すれば慢性化することがわかっていますので、発症早期に専門医の治療を行うことをすすめています。
即ち、睡眠薬の服用により眠れるようになった早期の段階であれば、減薬や休薬は可能と言うことです。
また、不眠治療のゴールは「朝までぐっすり眠れること」ではなく「日中のQOLを高めること」(日中に眠くて活動に支障をきたすことがないようにすること)にあるということを患者自身が理解することが大切です。

もし、睡眠薬を止めたい場合は、自分の判断で勝手に調節するのはよくありませんので、医師とよく相談して、薬の種類を変えてもらったり、医師の指示のもと少量ずつ減量しながら様子を見るのも良いでしょう。

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